店長のブログ :
いい人生とは?ー72022-05-08 by 松岡
(続き)
「方丈記」の作者、鴨長明はこれを言っていましたね。「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」。そこまではいい。そのあと何と言っているか。「世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」。人も街も鴨川と同じ。あっという間に変わる鴨川の水と人間が同じだと言っています。物質とか知らないのに言っている。わかる人はわかっていたんだなと思います。
意識の世界にいたら「同じ」自分なんですよ。意識って「同じ」を作る働きですから。だけどもとの自分ではない。ピンとこないと思いますけれどひまな時にじっくり考えてみて下さい。
人間と違い、感覚で生きている動物は、概念でくくって物事を「同じ」と見ることができません。例えば犬を大勢の人間の前に連れてきたら、おじけづいて逃げ出します。全く違う生き物が何百もいたら怖い。当然です。
人間だけが感覚で入ってきたものを無視して、言葉にして「同じ」を作り出せる。だからこそ人は相手の立場に立って物事を考え、共感できる一方で、「違い」を素直に認め合えず、排除したり苦悩したりする。
私たちはもともと違うんです。うちの猫だってそんなことは知っています。そう思ったら人生、ラクになりませんか?
|