店長のブログ :
花と竜2019-12-08 by 松岡
アフガニスタンで医療活動をしながら、支援の基盤が水の確保と灌漑施設作りにあることを確信し、井戸掘りに心血を注いでこられた中村哲医師が何者かに襲撃され、尊い命が失なわれました。
中村哲医師は北九州若松を舞台に描かれた小説「花と竜」の作者、火野葦平の甥であり、主人公玉井金五郎の孫です。 中村哲医師は小説の主人公玉井金五郎に一番よく似た孫と言われていました。困っている人々に人生の大半を捧げる「男気」の持ち主でした。
小説「花と竜」は、度胸と正義感で暴力と闘い、やがて大親分へとなっていく、実録大河小説として有名です。
小説の中で、長男勝則(火野葦平)が父親金五郎お膳立ての縁談を断り、既に婚約者がいる芸者光丸との結婚を認めた時の玉井金五郎のセリフ、 「なんとかなろうわい。どのみち、あっちもこっちも丸く・・・そんな具合にはいかん。俺はいつの間にか、ヤクザ仁義の毒に食いつかれちょったことに気づいたよ。顔ーーー何でもかんでも、顔。・・・顔を潰した。顔が立たん。顔に泥を塗った。顔に免じて。今度の縁談でも、大庭親分の顔を潰したらいかん。くずれたら、俺の顔が立たん。・・・そんなことばっかり考えて、かんじんの勝則の気持ちは、二の次にしとった。名高い藤本組との結びつき、・・・欲もあったかもしれんなあ。」
中村哲医師の尊い志(こころざし)が受け継がれたかどうか?
ご冥福をお祈りします。
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